毎日が何かの日

Always Something

繋ぐもの

彼女はドコモの携帯電話とは別にウィルコムPHSも持っている。
僕も早々にPHSを買った。PHS同士の通話料は無料だからだ。
おかげで毎夜、特に用事がなくとも電話を繋いでおくのが日課になった。
 
でも実のところ、彼女のPHSは前の彼氏の物だ。
元彼が2台を自分名義で買って彼女に渡したらしい。
そして今日、彼女は「名義変更してくるか、それが難しいなら新しいの買ってくる」と出かけていった。
 
結局名義変更は面倒らしく、新しいのを購入してきた。
新しいPHSを見せてもらったのだけど、僕のと同機種で色違い。
こういうところでちょっと嬉しくなってしまう。

醜い嫉妬心

彼女と友人らとを交えて遊びに行った。
とても楽しいが、彼女の一挙一動を目で追ってしまう。
この不安と嫉妬の感情は必要ないとわかっているんだけど、心が安定しない。
 
こういった不安定な感情はいわゆる初期症状の一つだろうな。
もうちょっと落ち着いてゆったりとした感覚で付き合って行きたいのだけど。

バーベキュー

職場の人達と河原でバーベキュー。
皆には彼女と付き合っている事を秘密にしている。
職場……とくにゴシップと下ネタが大好きな上司にバレるのはどうしても避けたい。
2台の車で行ったのだけど、図らずも同じ車の後部座席に2人で座らされる。
なんか会話の節々でも微妙に気を使われている気がする。
もしかして気づいているんだろうか。
疑心暗鬼なだけだろうか。
 
バーベキューはすばらしかった。
炭をおこして鉄板で焼き肉。
スモークチップでチーズと笹かまの薫製。
ガスコンロとダッチオーブンでスープ。
それとチョコレートフォンデュ
先輩すごい。
どれも美味しい。
 
彼女は特にチョコレートフォンデュに感激していた。
用意したバナナとキウイどちらともびっくりするくらいに美味しい。
クラッカーも美味しいし、焼いたマシュマロをチョコに浸しては騒ぎながら食べていた。
ここまでいろいろ揃ったバーベキューは初めて。

「どうだ?惚れちゃってもいいんだぜ?」と先輩。
「確かにこれは……危うく惚れそうになりますね」と彼女。
「『危うく』ってなんだよ」と先輩が笑う。
 
フォンデュ鍋を買うことにしよう。

ゲームセンター

彼女とゲームセンターへ行った。
まずはレースゲームでもとマリオカートをやった。負けた。
何気に上手い。
「次、なにか賭けようか?」と不敵に笑う姿がかわいい。
 
次はクイズゲームのアンサー×アンサーをやった。今度は勝った。
結構な接戦だったし、最後に彼女は惜しいミスをしたりと悔しそうだった。
悔しがる姿もかわいらしい。
「これで一勝一敗ね」
 
最後はリズムゲーム太鼓の達人
腕が痛かったが勝てた。
僕も大人気ないな。

扉を開くもの

「ああ、そうだ。これをあげる」と、わざとらしいさり気なさで彼女に封筒を渡した。
「え?なに?プレゼント?」と彼女はにこやかに封筒をうけとった。
「大したものじゃないよ。なんていうかただの自己満足で、ちょっと渡しておきたいだけなんだ」
「ん?なんだろ?」
 
そして中身を見た瞬間、彼女は体を折って笑いだした。
「ええ!?ちょっとー、これはー?」
大声を上げながら戸惑っている様子。
 
「僕の部屋の鍵だよ。持っててくれるとうれしいな。」
「いいの?」
「なんていうかさ、ただ単に『彼女に部屋の鍵を渡す』って遊びがしたいだけなんだよ。」と僕。
 
実のところ、鍵を渡すかどうかはちょっと悩んだ。
別に僕がいない時に、彼女が勝手に部屋に入ることは問題ない。
パソコンとか漫画とか本とか机の中身とかを見られることに心配はしていない。
心配しているのは、彼女がこういった特別扱いに眉をひそめること。
まだ付き合ってからの日が浅すぎるかもしれない。
 
「……こんなことされたのは初めて」と彼女は鍵を物珍しそうに眺めている。
「こういうの嫌だったらやめるけど?」
「いやいや。ウレシイデス」
 
とりあえず鍵は持っておいてもらえそう。
これで僕との生活への距離感覚がより近くならないかなー。

とある土曜日に

昨日はゴルフの練習の後、彼女と待ち合わせて僕の部屋へ。一緒に1時間半位勉強した。

夜になり、夕飯を作るのも面倒だったので外で食べることにした。まだ8月だというのに肌寒い。暖かいものにしようと焼肉屋へ。

2人で随分食べた。
食べ過ぎた。
食べきれずに少し残してしまった。

部屋に帰って、お茶を入れて、「食べ過ぎた−」とベッドにごろん。ゴロゴロしながら一緒にぬいぐるみで遊んだ。
それからキスをたくさんした。

一緒の食事

ここ数日は夕飯を一緒に食べている。レストランよりは居酒屋に行くことが多く、昨日もそんな感じのお店。

いつになく彼女は杯を重ねた。甘いカクテルを3杯。
普段アルコールをまったくダメとする彼女にしては、飲み過ぎだ。まぶたがとろんとして、かわいらしい色気をまとっている。

夜がこのまま明けなければいいのに。